(個人の破産)が社会問題化し始めたのは、まさにこのころでした。1980年代後半に9000件台で推移していた自己破産件数は、1990年に約1万1000件と微増でしたが、1991年には約2万3000件と対前年比で倍増し、1992年〜1995年は年平均で約4万3000件とさらに増えました。その後も増え続け、1998年には10万件を突破。2003年に約24万件でピークを迎えました。それ以降は減少傾向にあり、2007年では15万件を下回る水準にまで戻っています。2007年8月に総務省が発表した「住民基本台帳に基づく人口・人口動態及び世帯数」によると、2007年3月末現在の日本の全世帯数は約5171万です。単純計算では、昨年の破産世帯の割合は0.29%であり、300世帯に1世帯が破産するかしないかといった程度にすぎないという見方をする人もいるでしょう。しかし、別の言い方をすれば、48年連続で減ってきたとは言え、昨年でも14万件台も自己破産があるということは由々しき事態に違いありません。この中には、マイホームを失った世帯がかなり含まれているはずです。国全体の自己破産件数が減少傾向にあるからと言って、安心は禁物です。金利上昇の局面になれば、返済に困る人もそれだけ増えます。年0.5%(2008年6月現在)は世界的にはまだまだ「超低金利」と言える水準であり、この傾向はしばらく続くという楽観論もありますが、少なくとも未来永劫にわたって低金利が続くことはありえません。また、住宅ローン返済で苦境に陥るかどうかの原因は、金利だけではありません。給与所得動向や雇用情勢で大きく左右されます。住宅ローン破綻をきっかけとする自己破産は今も相当数発生していると考えられます。住宅ローンだけで債務超過に陥る人もいれば、先に紹介した事例にもあるように、住宅ローンを返済するために消費者金融に手を出し、借金のための借金が重なって破綻してしまう人も少なくありません。
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