1階をオープンなスペースとして使うKさんご夫婦だが、プライベートな寝室はどのような作りになったかというのを見てみよう。ある程度年齢を重ねたご夫婦は、夫と妻で別々の寝室に寝ている人が少なくない。夫婦であっても就寝時間は違うし、いびきの問題やエアコンの体感温度についての違いも、毎日のことであれば一層耐えがたいものとなる。年配になるほど、その傾向は強くなるようだ。このKさん夫妻も例にもれず、夫婦別室を主張された。
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これまでもずっと別々に寝ており、その生活スタイルを変えたくないというのだ。はじめは1階が奥様、2陪がご主人の寝室にするというご要望であった。しかしここまで離れ過ぎているのもまた問題だ。高齢になれば急に体調を崩すことも大いにありえる。寝ている間に呼吸困難やけいれんが起こり、気付いたときにはすでに亡くなっていた、という話は少なくない。高齢であればあるほど、お互いの異変にすぐ気付ける距離感が必要だ。そこで、ご夫婦の要望を最大限に尊重しながら提案したのが、吹き抜けを挟んで二つの寝室が向き合うプランだ。Kさん宅はウッドテラスを挟む形でコの字型となっており、その両端にそれぞれの寝室を設けたのだ。こうすれば、それぞれ独立した空間を確保しつつ、窓の外に目を向ければお互いの様子がすぐにわかる。この絶妙な距離感こそが、老い先ずっと仲良く、そして安心に暮らしていくための秘訣なのである。