Sさんご夫妻は結婚2年目。現在はご主人の勤務先の社宅で暮らしていらっしゃいます。今度、奥さんの実家がお持ちの土地を借りて、一戸建てを建てることになったそうです。最近は、Sさんのように初めてのマイホームを一戸建てで実現しようという若い方が増えてきています。ただ、いざ一戸建てを建てるといっても、どこから始めていいか分からないというのが正直なところでしょう。とりあえず、インターネットや雑誌で調べてみたり、お二人のように住宅展示場のモデルハウスを訪ねたりすることになります。問題はそこからです。情報や資料を集めると、「耐震等級」「C値」「次世代省エネ基準」「スケルトン・インフィル」「50年保証」などいろいろなキーワードが出てきます。それらの意味は、調べればそれなりに分かります。でも、それがなぜ重要なのか、どれくらい重視すればいいのかということまで分からないと、実際の家づくりの指針にはなりえません。むしろ、それぞれのキーワードが頭の中でバラバラに浮かんでは消え、消えては浮かび、混乱するばかりです。「一体どんな家がいいのでしょうねえ」他人事のようにご主人がつぶやきます。「それは、お二人がお決めになることですよ。もちろん、いくつかの基準はあると思います。私はよく、「価格」「基本性能」「設計の自由度」「設備」「外観」の5つを家づくりの基準にあげています。「価格」というのは、単に安ければいいということではなくて、それぞれのご予算の範囲でどれだけ満足できる家ができるかということです。最近は、お客様のマイホームに対する思い入れも違ってきました。家のローンのためなら生活を切り詰めてでも、という方は随分減りました。旅行もしたい、おしゃれも楽しみたい、お子さんの教育にもお金をかけてあげたい。そういう生活の一部としてマイホームの価格はどの程度が妥当か、と考える方が増えています。「基本性能」とは、健康で気持ちよく、安心して暮らすために欠かせないものです。具体的には、大地震でも被害を受けにくい家、アレルギーなどの心配が少ない家、冬でも暖かく部屋ごとの温度差の少ない家、省エネで光熱費があまりかからない家、幹線道路沿いでも中へ入れば静かな家、などいろいろあげられるでしょう。問題は、それらのうち、どの性能をどの程度まで求めるかです。最近は、客観的な目安となる指標もできています。「設計の自由度」は、希望のプランをどこまでかなえられるかということです。ここで重要なのが、敷地による制約です。たとえば、工場でつくったパネルを現場で組み立てる工法ですと、大きなクレーン車を使うのですが、敷地の形や道路の幅によってクレーン車が入れないことがあります。都市部に多い変形した敷地、極端に狭い敷地なども、工法によってプランが制約されたりします。「設備」は女性の方が特に気にされる点ですね。
[参考情報]
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