小学生高学年になるまで、私には自分の部屋がありませんでした。祖父母と同居していたため、部屋数が足りなかったのです。友人が次々と一人部屋を持つのを羨ましく思っていました。そんな私の楽しみは、毎日のように新聞に折り込まれる住宅のチラシを眺めることでした。今ですと真っ先に値段と広さをチェックするところですが、当時の私にとっては間取りがすべて。ここはおじいちゃんとおばあちゃんの部屋、ここはお父さんの書斎…と空想を膨らまし、自分の部屋もきちんと作って満足するのでした。
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いよいよ勉強部屋が必要になり、父に数回お願いの手紙を書いた末念願の一人部屋を手に入れることができました。しばらくは父の書斎との相部屋という形でしたが、本当に嬉しかったのを覚えています。しかし、その後もチラシを眺める趣味は続きました。今でもたまに、あの時を思い出してじっくり見ています。