一時期、定年退職した元サラリーマンが、もう出勤する必要はないのに毎朝、定時に背広を来て家を出るという話が面白おかしく語られたことがある。私自身、ある建て主の奥さんから「夫は定年後の今でも毎朝、決まった時間に家を出る」という話を聞いた。そのご主人は、平日の午前中、駅前のコーヒーショップで新聞を隅々まで読みながら過ごすのが日課となっているらしい。つくづく「習性とは恐ろしいものだ」と思ったものである。別のあるご主人は、毎日、判で押したように近所の碁会所に通い、近所のご隠居たちから磐を習っているという。
[参考]
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定年後に新しい趣味に挑戦するのはすばらしいことだし、家の近くに新たな「居場所」を見つけるのもいいことだ。毎朝、同じコーヒーショップに通っていれば自然と顔見知りの常連客が増えるし、地元の碁会所に通えば趣味の仲間が増える。組織を離れることによって居場所を失い、交際範囲が限られがちな定年後の元サラリーマンにとっては、新たな生活スタイルを築くためのきっかけとなる。夫が、決まった時間に家を留守にするのは、妻にとってもありがたいことだ。